
逆境を乗り越え5,000円のカレーが爆誕するまでの道のり【キャリアの山巡り#005】
こんにちは!トーチリレーの畑山です☺
「キャリアの山巡り」では、世の中にある求人情報やインターン副業といった「様々な仕事=山」の中から、私たちも知らず、面白そうと感じた山や、あるいは名前だけは聞いたことあったんだけれどもどんな山なんだろう、と思って調べたことをご紹介します!
今回巡り逢った「キャリアの山」は、「株式会社にしき食品」さんです!
第5回は、ラーメンではなく…カレーを取り扱う会社です!
岸野:キャリアの山巡り、第5回をお届けしたいと思います!今回は、こちらのカレーに関する山を巡りたいと思います!

神保:今回は5回目ですけど…食べ物を取り上げることが多いですね!そんなにお腹減ってるんですかっていうぐらい、食べ物推しで(笑)
岸野:今回ですね、取り上げるの株式会社にしき食品という会社です!カレーを中心とした、レトルト食品を作られている会社です。

株式会社にしき食品様の求人情報のご紹介!
岸野:私の方で公開されてるこの会社の求人情報を今日の撮影時点2022年11月22日で独自にまとめてきました。
※ このnoteでは求人情報を画像データでお伝えし、説明は割愛させていただきます。

岸野隊員が見つけたユニークポイント
岸野:私が面白いなと思ったのは…この会社ですね、「NISHIKIYA KITCHEN」というブランド名を冠した公式オンラインショップがございまして。ここではカレーを中心に他にもスープとかパスタソースとか、様々な商品を扱っていてですね。すごく面白いな、ユニークだなと思いました。こんないろんな商品を企画できるっていうのは面白いなと思いましたので、今回この職種を取り上げたという次第です。
神保隊長から見た「山」の景色
神保隊長の注目ポイント その①
岸野:神保さんも事前にご覧になっていて、ここがユニークだな面白いなと思ったところはありますか?
神保:いやーもうめちゃくちゃ面白そうな仕事ですよね。もうこういう商品あったらいいなっていうものを考えることが全部業務になるってはっきりと求人の募集案内にも書かれている会社ですから。本当に自由度高く、いろんなものを企画してほしいっていう想いが伝わってくるんで、とてもやりがいのある仕事なんじゃないかなと思うんですけど。
僕が面白いなこの会社って思ったポイントが大きく3点ありまして。まず1点目がですね、今岸野くんからの紹介がありましたが公式オンラインショップのクオリティがめちゃくちゃ高くて。それは買いやすさっていうこともそうなんですけど、そこで使われている写真とかですね、映像のクオリティがめちゃくちゃ高くて。特にそのレトルトカレーのページとかいくとですね、もう全部うまそうなんですね~。
岸野:大人買いしたいですよね(笑)
神保:そうなんです!カレー部門とかは人気ランキングとかも載っているんですけど、上位から下の方の商品に至るまで全部美味しそうで。本当ちょっと機会があったら、一度全種類制覇してみたいなとどうしても思わせられてしまうような、非常にクオリティの高いECショップを展開されています。
あとレトルト商品って聞くとなんとなく「安くて速い」みたいなイメージが従来あったかと思うんですけど。この会社を色々勉強させてもらう中であぁなるほどなと思ったのがですね。ギフト部門というのがあって、レトルト商品をいわゆるギフトとして送るという需要が非常に高まってるようで。ギフト部門ランキングのセット商品とかがあるんですけど、カレーとかスープの 種類が豊富で、本当贈答品としてももってこいだなっていうふうに思いました。なのであぁ、なんかいろんなニーズを開拓していってる会社だなっていうのを改めて思ったんですけど。
直近だとですね、今年の夏ぐらいだったかな。かなり面白い新商品が期間限定だったのかな?出たんですけど。それが5000円のレトルトカレーですね。単価5000円のレトルトカレーですよ!価格だけでもうめちゃくちゃ興味惹かれるわけですけど。どうやらこれはですね、彼らの本社が宮城県ということで仙台の誇る仙台牛ですね。仙台牛を使ったレトルトカレーで、仙台牛のどうやらステーキが入ったレトルトカレーのようで。
しかもそれがですね限定販売が私たちのオフィスから目と鼻の先にある東京ミッドタウンですよ。東京ミッドタウンの中にある、にしき食品さんの店舗で限定発売で価格は1パック300g入りで5000円で、新店舗の目玉商品にするという狙いがあるそうですね。ステーキにはどうやら赤みと脂身のバランスが良い仙台牛の肩バラ肉を使ってブラックペッパーを効かせたスパイシーな味わいのカレーソースと合わせたという1品らしくて。もうね、多分贈答品で送っても話題性があって喜ばれると思うんですよ。いやもう正座して食べるカレーですよね、この5000円のレトルトカレーは。…このあたりから企業のなんかエネルギーが伝わってくるじゃないですか、このエピソードで。
神保隊長の注目ポイント その②
神保:一方でですね、話題をただ振りまいてるだけではなくて、実は剛健なしっかりとした経営をやられていてですね。このにしき食品さんといえば看板商品は何かというと、バターチキンカレーなわけですが。じゃあレトルトのバターチキンカレーといえば…そうですよ、他でもない無印良品さんのバターチキンカレー。彼らの食料品部門ではもうずーっと馬鹿売れし続けてるお化け商品になっておりますが、無印さんのあの有名なレトルトのバターチキンカレー。実際に製造を手掛けているのが、このにしき食品さんなんですね!にしき食品さんは無印さん以外にも例えば天下の高級スーパー成城石井さんのグリーンカレーやミネストローネのスープなど。人気企業のレトルト食品をもう一手に手がけていまして、現在有名企業も含め約80社のレトルト食品の委託製造を請け負っていて、その製造数は何と約400種類にも上るという非常にユニークなことを手掛けられつつ、しっかりと大手を抑えられているというそういう販路もお持ちのバランスの大変優れた企業様で。
経営の土台があるがゆえに「NISHIKIYA KITCHEN」という自社ブランドで100種類ほどの商品も最近展開し始めて、こちらに今後は力を入れていくという形なので。ある意味ではですね、若き日のユニクロさんにもちょっと商売構造が似てるなと思っていて。あまり知られていませんがユニクロさんは元々はプーマさんとかアディダスさんの商品を並行輸入する形で自社の店舗で売っていたわけですが、段々と自社ブランドの比率を高めていって、今は100%自社で作る自社ブランドとして展開されてるブランドになってますけど。もちろん無印さんとかから卒業するという気持ちはにしきさんにはないとは思うんですが。おそらく今後自分達のレトルトのプライベートブランドの比率を上げていくという観点では当時のユニクロさんが取られた戦略にも多少似ていて。非常に今後も要注目の企業だなっていうのが、2点目に思った注目ポイントですね。
神保隊長の注目ポイント その③
神保:で3点目ですね。ここがちょっと1番想いが詰まる部分なんですけど。会社の歴史がエモいってことですね。にしき食品さんの事業の今日までに至る歴史に、もう会社の魅力そのものが詰まってるなと思っています。
実は元々はレトルト食品を手掛けてないんですね。元々は家族経営の佃煮を売っているお店だったんですね。それがにしき食品さんの前身なわけですが、それが今現在では年商約70億を超えるような食品メーカーに育っているわけで。現在菊池さんという社長さんが経営をやられていますが、この菊池さんですね創業家出身ではないんですね。そればかりか実は元々の畑はですね、印刷会社の営業担当だったわけですよ。なので食品会社とはもう全く縁のない、つまり佃煮すら縁がなくレトルトに関しては全く縁がないそういう印刷会社の営業担当だったわけですが。この方ですね、どこでにしき食品さんと出会ったかっていうと…。この菊池さんがですね、印刷会社の営業担当をやっていた営業先の1社がにしき食品さんで。にしき食品さんが佃煮から徐々にレトルトにもちょっと進出していこうということになった時に、レトルトの包装材とかを印刷会社の印刷の技術とかを使ってやっていたってこともあって、営業先として絡みがあったようなんですね。
そういうお付き合いがある中で、レトルトの食品に対してにしき食品さんが佃煮だけでは細る一方なので、レトルトで今後はチャレンジしたいということを思ったちょうどそのタイミングに社会人2年目の新人営業マンだった印刷会社の菊地さんがレトルト包材を売り込みに行き、そこで接点が設けられたらしいんですね。でその時ににしき食品さんの先代はですね、レトルトに商機を見出したいとは言っていたけれどもどんな商品を作るかの明確なビジョンは全然なくて。まだ設備投資も重くのしかかるばかりで結構困られていたみたいなんです。そして相当多分これ菊地現社長の人柄が良かったし魅力的だったんでしょうね。全く門外漢である菊池さん、つまり印刷会社の営業マンだった菊地さんに頭を下げて。先代の社長は当時の菊池さんからするとお父様の御年齢ほどの年上の社長さんだったようなんですが何度も頭を下げられてそれにほだされて、その6年後ですね。縁ができた6年後にわずか従業員4名のどうなるかわからない、今後レトルトでうまくいくかどうかも分からないにしき食品さんに転職をすることを決意し、このレトルト事業に事業転換する陣頭に立ったというのがこの現菊地社長がにしき食品さんと人生が混じり合った瞬間なわけですね。
なのでその時歴史は動いたわけですが…。早速ですね、ビーフカレーとかパスタ用のトマトソースとか開発してスーパーに売り込みに行ったらしいんですけど、これがですねもう反応が冷ややかで。なぜかというとレトルト食品っていうのはもう当時ですね、大手のテレビコマーシャル出しているところっていうふうにスーパー側が思っていたので全く無名のにしき食品のレトルト食品なんて誰も取り扱ってくれなかったらしいんですね。どうしようということで打開策となったのが、外食向けの業務用のレトルト商材ですね。例えば大手ファミリーレストランとかでカレーを頼むとカレーが出てきますが、当然カレーを一から作ってる、全部ゼロから作ってるところは少なくて。
業務用のレトルトカレーをある意味では温め直して出してるところがほとんどなわけですが、そういったところの外食向けの業務用のレトルトカレーを作るということでそこに活路を見出したみたいなんですね。大手だと1トン単位とかでなければプライベートブランドの生産って請け負えないんですけど、設備が小さかったにしき食品なら300キログラム単位からも受注ができるということで。なんかその小回りの良さを活かしてファミレスなどからコンビニエンスストア、あとは持ち帰りのいわゆるお弁当チェーンですね、こういったところに販路を拡大してその過程で数多くのプライベートブランドを手掛けたことが商品開発力の向上にもすごく繋がって。今はその力を生かして、にしき食品さんのレシピ数は現在3000を超えているという形ですね。なのでファミレスとかコンビニそして持ち帰り弁当のチェーン店。こういった大手チェーン店に販路を設けたことで、彼らの要望に応えながら自社の商品開発を上げて今に至るということですね。
…これで事業のストーリーは終わらなくてですね。めっちゃ面白いのが、今は業務用のレトルトカレーというアプローチよりも先ほどNISHIKIYA KITCHENのeコマースのサイトがあったと思うんですが、5000円のレトルトカレーを販売しているように高付加価値路線に完全に転換してるわけなんですね。なのでもう1度業務形態を大幅にアップデートするというタイミングが途中で訪れるわけです。
それのきっかけが2つあって、1つがアルバイトパート社員との何気ない会話のやり取りだったみたいなんですが。パート社員の方がですね、夏場で職場に水筒に水を入れて持ってくる方が多かったらしくて。その方々にこの菊池社長が、会社の水あるんだから会社の水飲んだらいいのにって声をかけたところ、返ってきた言葉が会社の水なんてカルキ臭がすごくてとても飲みたくないっていう言葉が返ってきたらしいんですね。それにショックを受けた菊池社長はですね、自分たちはそんなカルキ臭のする匂いのある水で食品を作っていたのかということで。まさに冷や水を浴びた思いだったらしくて。その時は800万円ものお金をかけて工場の全部に浄水器を設置し、水を全部きれいにするということから心を改めたらしいんですね。
そしたら他の材料も気になり始めたようで。他の材料もいいもの使えてるのかなうちは、ということで思い切って次は塩を加工塩から天然塩に切り替えて、塩のキロ単価が60円から300円と5倍にもなっちゃったらしいんですね。めちゃくちゃコスト高になったんだけど、思わぬ発見もあって。旨味の強い塩を使うことで、これが面白いんですけど。他の調味料の使用量を減らすことができたらしいんですね。つまり悪い塩を使っていた時は、他の調味料も合わせて使わないと味付けがうまく完成しなかったらしいんですけど、天然塩に切り替えたことにより旨味が出て他の調味料の使用量を減らすことができたので、コスト高だけではなくなったっていうこともあって。こんな発見もしていったみたいなんです。この素材を見直すことを通じてですね、どんどん素材の見直しに着手してったんですけど、どうやらあの…色々運命の歯車がですね色んなものを問いかけてきたようで。
…1998年に日本中を震撼させた事件が起きましてですね。にしき食品さん自体が関係あった事件では当然ないんですけど。和歌山毒物カレー事件がありました。非常に当時世間を騒がせたニュースで、夏祭りの時に地域の方が作ったカレーの中に毒物が混入されていて大事件になったわけですけど。その結果、その年からですね、カレーを避ける空気が世の中に蔓延して…業務用 レトルトカレーの大手顧客だったコンビニチェーンがですね、この和歌山毒物カレー混入事件の3日後には委託生産の停止を決定し、にしき食品さんは当時17億円ほどあった売上高の半分ぐらいが一瞬で失われてしまったらしいんですね。…つまり倒産の危機にあったわけなんですけど。
その時に救ってくれたのが、実はレトルトカレーで。地元仙台って牛タンが有名なんですが、地元の有名な牛タン料理店がお土産用に展開していたカレー。これ結構高価格帯だったらしいんですが、それにもかかわらず売り上げが落ちなかったらしいんですね。そこから菊池社長はヒントを得て決断を下して、売り上げの8割を当時占めていた外食チェーン、コンビニチェーン、弁当チェーン向けの業務用と決別をし、一気に小売用へ舵を切ったらしいんですね。レトルトカレーを業務のB to Bの法人向けに卸すんではなく、B to C向けの小売用のレトルトカレーにする、一気に業態を変えようという決断をされたようです。
一度断念した道だったようですが、やはり高価格帯を狙えば勝機が絶対あるはずということで素材へ徹底的にこだわるさっきの水の浄水器全部800万かけて変えるとかですね、塩にこだわるとか。それ以外にも素材を全部見直すというこのこだわりが付加価値になると考えて無添加無着色の食品作りを徹底するという道を貫いたみたいです。この決断が大口顧客の獲得に徐々に繋がり始め、生活雑貨から食品へ商品領域を広げようとしていた良品計画さんがずーっとその食品領域のパートナー探しをしていたところ、素材に徹底的にこだわる「にしき食品」という会社があるぞということで白羽の矢が立ち、バターチキンカレーのようないわゆるお化け商品、メガヒット商品の商品開発に二人三脚で歩みを進め…、結果レトルト食品事業が無印良品さんの中でものすごく拡大することになったということで。現在はそのノウハウを使って今度は自社のレトルト食品のブランドNISHIKIYA KITCHENを今後展開していこうとされているという形ですね。
今は「レトルト食品をご馳走にする」というコンセプトを掲げて、未だに新しいチャレンジをしているというのがこのにしき食品さんで。もう今のストーリーを聞くだけで、創業から業態変化を何度も繰り返し、でも常にそこには一貫して素材へのこだわりがあったという。そういう会社が今回新商品企画者を募集しているということなわけですね。ですから、それはどういうことを期待されていてどういう自由なチャレンジをさせてもらえるかっていうのは、多分この今の話を聞いてもらうのが1番面白いんじゃないかなと思ったので…少し長くなりましたけど僕からのユニークポイントの3つ目として、
創業から事業変換までのエピソードをお伝えさせていただきました。
神保隊長からこの山に登る方へのメッセージ
岸野:同じように興味を持った方やこの山登ってみようかなと思われた方への応援メッセージを神保さんからお願いいたします!
神保:事業上の観点も最後メッセージの中に織り込みたいなと思っているのですが…このレトルトマーケットっていうのが今どういう状況にあるかっていうと、これ実は拡大中でして。コロナの影響がやっぱ大きくてですね。巣ごもり需要が伸びたんで、いわゆるお家食が増えているんですね。でもお家食って言っても毎日全部手料理で自分で仕込んで作っていうのは、やっぱり料理を作る担当の方も大変なので、その何日かを埋めてくれる極めてありがたい食材としてのレトルト食品の活躍の場というのがめちゃくちゃ増えているみたいです。
実際このにしき食品さんも38億円ものコストを投じて工場を増設しているようで、この2022年年内に生産量を現在よりも5割増し。どんだけ勝負してんだってことなんですけど、それだけ多分勝算があるんでしょうね。レトルト商品のあのパッケージを月に600万袋作れる体制に、38億円を投じて今いわゆる事業拡大も邁進中らしいんですね。なので伸びている業界、実際にそこに生産量も伸ばそうとしているというイケイケどんどんの状況で、素材の品質にずっと一貫してこだわり続けているこういったにしき食品さんで最高のレトルト商品の開発を担ってみたいと思われる方は、ぜひですね我こそはという方はご応募を検討してみたらいいんじゃないかなと思います!
今回の内容を動画でご覧になりたい方はこちらから👇
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